10歳~12歳の矯正歯科
お子さまが10歳~12歳を迎える頃は、矯正治療において「永久歯の生え揃い」や「成長期」にあたる大切なタイミングです。
特に、この年代の治療は、お子さまの骨格や歯の成長をうまく利用することができるため、効率的かつ効果的な矯正が可能です。
しかし、10歳を過ぎると上顎の骨の成長速度が落ち着き始めるため、早い段階で矯正の計画を立てることが大切です。
ここでは、この年齢層の矯正治療について、注意点や治療法、装置について詳しくご説明いたします。
10歳~12歳の時期ならではの注意点
1. 顎の成長が進むため、かみ合わせが変わりやすい
この時期は顎の成長が活発であり、かみ合わせも変化しやすい時期です。そのため、今後どのように成長していくかを見極めながら治療を進める必要があります。
特に、下顎の成長が顕著になる場合もあるため、歯並びやかみ合わせに及ぼす影響を考慮し、治療方針を柔軟に調整することが求められます。
2. 永久歯がほぼ生え揃い、歯並びの最終的な調整が可能
10歳~12歳頃になると、ほとんどの永久歯が生え揃い、矯正治療によって歯並びを整える準備が整います。
この時期に適切な矯正治療を行うことで、顎の成長に合わせた歯列の最終調整が可能になり、将来的な噛み合わせの安定に繋がります。
3. 成長のピークを逃さないことが大切
この年代は成長のスパートがかかる時期でもあり、特に顎の骨が発達する最後のチャンスといわれています。
例えば、急速拡大装置を使用して顎の幅を広げる治療は、この成長スパートをうまく利用することで効果が出やすくなるため、タイミングが重要です。
この成長を見逃さないことで、無理なく歯や顎を適切な位置に動かすことができます。
10歳~12歳でも可能な「急速拡大装置による矯正治療」
急速拡大装置とは?
急速拡大装置は、上顎(うわあご)の幅を広げるための装置で、上顎の骨の成長を利用して効果的に矯正を進める治療法です。
6歳~9歳頃が最適な時期とされていますが、10歳を過ぎても装置を使った治療は可能です。
上顎を拡大することで、歯が生えるスペースを確保し、将来の歯並びを整えやすくする役割があります。
急速拡大装置を10歳以降に使用する場合
10歳以降の治療では、上顎の骨がより発達しているため、必要に応じて「上顎の骨に切れ目を入れて顎を開きやすくする」手術が行われる場合があります。
これにより、顎が狭くスペース不足で歯が並べられないケースでも、歯を抜かずに矯正治療を進めることができます。
治療のメリット
永久歯がスペース不足で重なり合うのを防ぐ
上顎と下顎のバランスが整い、顔の見た目も良くなる
鼻腔が広がり、鼻呼吸がしやすくなるため、お子さまの睡眠の質向上や健康促進にもつながる
治療のデメリット
顎を拡大するため、歯茎に圧がかかることによる痛みや違和感を感じることがある
拡大装置の使用には慣れが必要で、お子さまによっては装置に不快感を抱くこともある
「2期治療」について
急速拡大装置でスペースを確保したり、顎のバランスを整えたりした後には、永久歯が生え揃った状態での「2期治療」に移行します。
2期治療は、歯並びや噛み合わせを最終的に整え、より安定した状態にするための治療です。
2期治療が必要な場合
2期治療は、お子さまの歯並びが理想的に近い状態になるよう、追加の矯正を行うことです。
1期治療を行い、永久歯が生え揃ったあとでも、多少の歯並びのズレがある場合には軽度の矯正治療で整えることが可能です。
2期治療では、比較的ソフトな力で歯を移動させることで、見た目だけでなく、かみ合わせも安定させることができます。
インビザライン・ファースト:透明で目立たない矯正
インビザライン・ファーストは、透明なアライナー(マウスピース)を用いた矯正治療で、お子さまの矯正治療に適した装置です。
インビザラインは目立たないので、10歳~12歳のお子さまにとっても学校生活で装置が気になりにくく、外見上のストレスを軽減できる治療法です。
10歳~12歳の思春期の時期は、特に見た目を気にし始める年齢でもありますので、従来のワイヤーやブラケットタイプの矯正装置ではなく、目立たないタイプの装置を選ばれる方が多いです。
本人にとって負担が少なく、自信をもって治療に取り組みやすくなるため、心理的な負担が減り、治療がスムーズに進みやすいのも大きなメリットです。
インビザライン・ファーストのメリット
見た目が自然
透明な素材でできているため、装置が目立たず、お子さまが気にせずに日常生活を送ることができます。
食事や歯磨きの際に取り外し可能
装置を取り外すことができるので、食事や歯磨きがしやすく、お口の衛生管理もスムーズです。
通院回数が少ない
一般的なワイヤー矯正よりも通院頻度が低くて済むため、保護者の方のご負担が少ない点も魅力です。
インビザライン・ファーストのデメリット
自己管理が必要
お子さまが装置を外してしまうと治療効果が薄れてしまうため、装着時間を守る必要があります。
適応範囲が限られる場合もある
重度の歯並びや噛み合わせの問題がある場合には、別の装置や治療法が必要になることもあります。
矯正無料相談を行っております
10歳~12歳という時期は、永久歯が生え揃い、骨格が完成に向けて成長していく大切な時期です。
お子さまの成長とともに、最適なタイミングでの矯正治療を行うことで、将来的な歯並びや健康面に大きなメリットが期待できます。
また、矯正治療にはさまざまな装置や方法があり、お子さま一人ひとりに合わせた最適なプランをご提案しています。
当院では、お子さまの歯並びの無料相談も行っておりますので、どうぞお気軽にご利用ください。