顎の成⻑不⾜が及ぼす悪影響
上顎の成長不足は、子どもの不正咬合の原因の一つとして非常に重要です。
歯並びや噛み合わせの問題だけでなく、全身の健康にさまざまな影響を及ぼす可能性があります。
以下、上顎の成長不足によって生じる問題について詳しくご説明します。
不正咬合の原因になる
上顎が適切に成長しないと、前後や左右の幅が狭くなることがあります。
このような状態では、永久歯が正しく並ぶためのスペースが確保できず、歯が重なって生えてくる「叢生」や、上あごと下あごがずれてしまう「受け口」などの不正咬合が起こりやすくなります。
また、上顎の成長不足は、下顎の位置にも影響を及ぼします。
通常、上顎が適切な幅で成長することで、下顎がその位置に合わせて収まりますが、上顎が狭いと下あごが前方や後方、または左右にずれやすくなり、下顎が過剰に成長してしまって受け口(反対咬合)になることがあります。
この状態では上下の噛み合わせが逆転し、見た目や噛む力に影響が出るだけでなく、発音やあごの動きにも支障をきたします。
鼻呼吸がしにくくなる
上顎の成長不足は、上顎の天井にあたる部分、つまり鼻腔のスペースを狭くする原因となります。
鼻腔が狭くなると空気の通り道がふさがれ、鼻呼吸が難しくなり、口呼吸が習慣化しやすくなります。
口呼吸は口腔内を乾燥させるだけでなく、唇の閉じ方やあごの成長にも影響し、全体的な顔つきやあごの形態に影響を与えることがあります。
また、鼻が持つ「フィルター」機能を通さずに外気を吸い込むため、体にとってさまざまなリスクを引き起こします。
口呼吸の悪影響
風邪や免疫力の低下、アレルギーの原因に
鼻が持つ「フィルター」機能が正常に働かないため、ウイルスや細菌が体内に入りやすくなり、風邪を引きやすくなるほか、免疫力の低下やアレルギー症状が現れやすくなります。
口内の乾燥と口臭の原因に
口呼吸により唾液が蒸発しやすくなり、口内が乾燥しやすくなります。
その結果、口臭が気になったり、菌が増殖しやすくなるため、むし歯や歯肉炎の原因にもなります。
不正咬合と「負の連鎖」
上顎の成長不足によって引き起こされる不正咬合は、単に歯並びだけの問題にとどまらず、口腔機能全体の低下を招きます。
例えば、口呼吸が続くことで舌や唇、頬の筋力が低下し、それがさらに口腔内の形態の悪化を促進し、不正咬合が進行する「負の連鎖」が生じることがあります。
こうした負の連鎖を防ぐためには、早期に上顎の成長を促す治療が効果的です。
上顎の成長不足を放置すると、不正咬合の程度が進行し、治療がより複雑になる場合もあります。
早期治療の重要性
上顎の成長不足が疑われる場合は、成長が盛んな時期(6歳から9歳頃)に治療を開始することが理想です。
この時期に上顎の成長を促すことで、歯並びやあごのバランスが整いやすくなり、将来的な不正咬合の予防にもつながります。
当院での対応
当院では、早期に上顎の成長をサポートする矯正装置を活用し、歯並びや噛み合わせの改善を図っています。さらに、歯科技工士が常駐しているため、装置の調整や修理を迅速に行うことができ、お子さまに安心して治療を受けていただけます。
お子さまの上顎の成長不足が気になる場合や、歯並びに関するご心配がございましたら、ぜひ当院の無料相談をご利用ください。上顎の発育状況やあごのバランスを詳しく確認し、最適な治療プランをご提案させていただきます。