お子さまの前歯が二列に!?「二重歯列」の原因と治療法
2025/04/20

こんにちは、蒲田の小児矯正専門医院、のびのび歯科・矯正歯科です。
お子さまの歯並びを気にされている親御さまから、
「前歯が二列になって生えてきたのですが、大丈夫でしょうか?」
というご相談を頂くことがあります。
このように、永久歯が生えるはずの場所に乳歯が残り、前後に歯が二列になってしまう状態を「二重歯列」といいます。
見た目にもびっくりしてしまうこの症状ですが、原因や治療法を知ることで適切に対応できます。
今回は、二重歯列について詳しくご説明します。
二重歯列とは?

通常、子どもの歯(乳歯)は6歳頃から順番に抜け、永久歯がその位置に生えてきます。
しかし、何らかの理由で乳歯が抜けず、永久歯が別の場所から生えてしまうことで、歯が前後に二列に並んでしまうことがあります。
特に、下の前歯や上の前歯でよく見られる症状です。まれに奥歯でも起こることがあります。
二重歯列の原因
1. 乳歯が自然に抜けない

通常、乳歯は永久歯が生えてくるタイミングに合わせて自然に抜けるようになっていますが、何らかの理由で抜けずに残ってしまうことがあります。
この原因のひとつとして、乳歯の根の吸収が不十分な場合が挙げられます。
本来、永久歯が成長しながら乳歯の根を吸収し、自然に抜ける準備が整います。
しかし、乳歯の根がしっかりと残っていると、永久歯が生えるスペースが確保できず、仕方なく別の位置から生えてきてしまうのです。
また、乳歯が抜ける際に食事や噛む力が十分にかかっていないと、自然に抜けにくくなることもあります。
特に、やわらかい食べ物ばかり食べていると、乳歯がしっかり揺さぶられず、抜けるタイミングが遅れることがあります。
2. 永久歯の生える位置がずれている

永久歯が適切な位置から生えず、結果的に乳歯と並んで二重歯列になることがあります。
これは、顎の成長が不十分で、永久歯が生えるためのスペースが足りないことが原因のひとつです。
顎が小さいと、永久歯が本来の位置に並びきれず、乳歯の裏側や前側にずれて生えてしまうことがあります。
また、永久歯の萌出方向が異常で、乳歯を押しのけずにずれて生える場合もあります。
これには、舌や頬の筋肉の影響、食生活の変化による顎の発達不足が関係しています。
特に現代の子どもたちは、柔らかい食事が多くなり、しっかり噛む機会が減ることで顎の成長が十分でないケースが増えています
3. 遺伝的要因

二重歯列は遺伝的な影響を受けることもあります。
親御さんが子どもの頃に二重歯列だった場合、そのお子さまも同じような状態になる可能性があります。
歯の大きさや顎の発育状態は遺伝的な要素が強いため、顎が小さく歯が並ぶスペースが不足している場合、永久歯が適切な位置に生えず、二重歯列になることがあります。
また、家族の中に歯並びの乱れが多い場合は、お子さまも注意が必要です。
遺伝による顎の小ささが原因で、歯が十分に並ぶスペースを確保できないこともあります。
そのため、家族に歯並びの問題がある場合は、早めに歯科医院でチェックすることが重要です。
4. 癖による影響

指しゃぶりや舌の使い方の癖が、二重歯列を引き起こす原因となることがあります。
例えば、指しゃぶりが長期間続くと、前歯が押し出されるような形になり、永久歯が本来の位置に生えにくくなることがあります。
また、舌で前歯を押す癖(舌突出癖)があると、前歯に不要な力が加わり、歯並びが乱れやすくなります。
さらに、口呼吸の習慣がある場合、舌が本来の正しい位置(上顎の内側)に収まらず、顎の成長が適切に進まずに永久歯の位置がずれることがあります。
このような習慣が続くと、乳歯の抜ける時期や永久歯の生える方向に影響を与え、結果的に二重歯列になってしまうことがあります。
二重歯列は治療が必要?
「このまま放置しても大丈夫なの?」と心配される方も多いですが、ケースによっては自然に改善することもあります。
しかし、治療が必要なケースもあります。
放置してもよいケース
乳歯がぐらぐらしており、近いうちに自然に抜けそうな場合
永久歯が少しずつ前に移動し、正常な位置に戻る兆しがある場合
歯並びや噛み合わせに大きな影響を与えていない場合
治療が必要なケース
乳歯が全く抜ける気配がない場合
永久歯が大きくずれて生えている場合
顎のスペースが狭く、他の歯並びにも悪影響を及ぼす可能性がある場合
噛み合わせに問題が出ている場合
放置すると、歯並びの乱れだけでなく、噛み合わせの不具合や、将来的に矯正治療が必要になる可能性が高まります。
二重歯列の治療法
1. 乳歯の抜歯

乳歯が抜ける気配がない場合や、永久歯が適切な位置に生えるためのスペースを確保する必要がある場合には、乳歯の抜歯を行うことがあります。
特に、永久歯がすでに大きく生えてきている場合、不要な乳歯を早めに抜歯することで、永久歯が自然に前へ移動し、正しい位置へと整いやすくなります。
2. 顎の成長を促す矯正治療(顎顔面矯正)

当院では、単に歯並びを整えるだけでなく、顎の成長を促し、自然な歯列の発育を助ける「顎顔面矯正(成長発育矯正)」を行っています。
顎の成長が不十分な場合、永久歯が生えるスペースが足りず、二重歯列になりやすくなります。
顎顔面矯正では、
顎の発育を正しい方向へ促す
舌の正しい使い方を学び、歯並びを整える
呼吸や姿勢の改善にもつながる
といった効果が期待できます。
顎顔面矯正の最大のメリットは、成長期の子どもにしかできない「顎の発育をコントロールできる」点にあります。
顎の成長を適切に導くことで、将来的に抜歯が必要になるリスクを低減し、自然な歯並びへと導きます。
また、鼻呼吸の改善や、姿勢のバランス調整にも良い影響を与えることが期待できます。
特に6歳〜10歳の時期に始めることで、顎の自然な発育を最大限に生かしながら、より良い歯並びへ導くことが可能です。
3. マウスピース矯正(アライナー矯正)、ワイヤー矯正(ブラケット矯正)

顎顔面矯正は成長期のお子さまに適用される治療法ですが、大人になってからでも二重歯列の治療は可能です。
例えは、目立ちにくい矯正治療として人気の高いマウスピース矯正や、歯にブラケットという装置を装着し、ワイヤーを通して歯を徐々に適切な位置へと誘導するワイヤー矯正が挙げられます。
ただし、顎の成長が終わってしまった大人の方の場合は抜歯が必要になるケースもあるため、早めの相談がおすすめです。
まとめ
お子さまの前歯が二列になっているのを見て驚かれる親御さんも多いですが、焦らずに状況を見極めることが大切です。
軽度な場合は自然に改善することもある
乳歯が抜けない場合や歯並びに影響がある場合は歯科医院で相談を
当院では顎顔面矯正で、根本的な原因にアプローチ
「このままで大丈夫?」と不安に思われる方は、ぜひ当院にご相談ください。
お子さまの成長を見守りながら、最適な治療方法をご提案いたします。
ご予約・無料相談は、お気軽にご連絡ください!
のびのび歯科・矯正歯科 :https://nobinobishika.com/
〒146-0095 東京都大田区多摩川1-33-24
電話:03-6715-2677
交通アクセス
電車でお越しの方:
矢口渡駅から徒歩3分
武蔵新田駅から徒歩7分
蓮沼駅から徒歩10分
池上駅から徒歩15分
蒲田駅から徒歩20分