子どもの寝方で歯並びが変わる!?要注意な寝相とは
2025/06/20

こんにちは。蒲田の小児矯正、のびのび歯科・矯正歯科です。
子どもの歯並びに影響を与えるのは、遺伝や食生活だけではありません。実は「寝相」も大きな要因の一つです。
特に顎の骨が成長段階にある子どもにとって、就寝中の姿勢は歯列や顎の発達に少なからず影響を及ぼします。
今回は、歯科医師として多くの成長発育矯正(顎顔面矯正)を行ってきた視点から、「寝相と歯並びの関係」「要注意な寝方」「改善のためにできること」について詳しく解説します。
寝相が歯並びに与える影響とは?

私たちの顎や歯は、毎日少しずつ成長と変化を続けています。
特に乳歯から永久歯へと生え変わる時期(3歳〜12歳頃)は、顎の骨や筋肉も発達途中であり、外部からの力に影響を受けやすい状態です。
「寝相」とは、寝ている間の体勢や顔の向き、枕の使い方などを指しますが、たとえば「片側ばかり下にして寝る(横向き寝)」「うつ伏せで寝る」「枕を使わず顔を押し付けて寝る」といった習慣が続くと、頭や顎の発育に左右差が生じ、歯並びに影響が出ることがあります。
顎が左右非対称に成長すると、下顎のズレ(交叉咬合)や顔の歪み、噛み合わせの不調を引き起こす可能性も。
これは、成長期の子どもだからこそ起きる問題であり、成長しきってからでは修正が難しくなることもあります。
要注意な寝相①:うつ伏せ寝
うつ伏せで寝る癖は、顔全体や顎に圧力がかかるため、もっとも注意が必要です。特に顔の片側に体重がかかる場合、顎の骨の発達に偏りが生じ、顎が左右非対称に成長する可能性があります。
【具体的な歯並びへの影響】
上下の歯の正中線(中心線)がずれる「正中偏位」
片側の奥歯が内側に倒れ込み、反対側は外側に広がることで起きる「交叉咬合」
顎が片側に引っ張られて下顎がずれる「顎偏位」
舌が下がることで起きる「開咬(前歯が噛み合わない)」
また、うつ伏せで寝ると舌が喉の奥に押し込まれ、気道が狭くなりやすくなるため、いびきや睡眠の質の低下にもつながると言われています。呼吸が浅くなると、全身の発育にも影響を及ぼすため注意が必要です。
さらに、小さな子どもが枕を使わずにうつ伏せで寝る場合、鼻や口がふさがれ、無意識に口呼吸になりがちです。
口呼吸が続くと、歯並びや口腔環境に悪影響を与える原因にもなります。
要注意な寝相②:いつも同じ向きで横向き寝
横向き寝自体は悪いことではありませんが、毎晩「同じ方向」で寝る癖がついてしまうと注意が必要です。
片側だけに長時間圧力がかかることで、顔や顎の骨に左右差が出てしまうことがあります。
【具体的な歯並びへの影響】
顎の片側の発達が抑制され、歯列弓が狭くなることで起きる「片側性交叉咬合」
頬側からの圧力によって、上下の歯が内側に倒れ込む「傾斜歯列」
左右の筋肉バランスが崩れ、顎のズレによる「非対称な咬み合わせ」
成長期の骨は非常に柔軟なため、長期間の習慣が積み重なると、見た目にも機能にも影響が出る可能性があるのです。
要注意な寝相③:枕を使わず、頭を沈み込ませて寝る
枕を使わずに、布団やマットに顔を押し付けて寝ている子も多く見られます。
特に低年齢の子どもは、枕がずれてもそのまま寝てしまうことがよくあります。
【具体的な歯並びへの影響】
下顎が後方へ押し込まれることで「過蓋咬合(深い咬み合わせ)」や「下顎後退型」の顔貌になる可能性
首が沈み込み気道が狭くなり「口呼吸・いびき・開咬」へと進行するリスク
片頬に圧がかかる場合、非対称な顎の発達につながる
また、枕なしで寝ると首の角度が不自然になり、顎を後ろに引いた姿勢になることも。
これが習慣化すると、気道が狭くなり、口呼吸の原因にもなります。
では、どうすればいい?今日からできる対策

1. 寝相を観察してみましょう
まずは、お子さんの寝姿を数日間観察してみましょう。
特に、寝入りばなだけでなく、夜中や朝方の姿勢を写真などで記録するのも有効です。
「どの向きが多いか」「枕を正しく使えているか」「うつ伏せで寝ていないか」などをチェックすることで、改善の糸口が見えてきます。
2. 枕の高さと形を見直す

子どもに合った枕を使うことも重要です。
高さが合っていないと、自然な寝返りが打てず、特定の姿勢が固定化されてしまうことがあります。通気性がよく、低反発すぎない適度な硬さの枕を選ぶと良いでしょう。
また、低年齢の子には「枕は不要」とされることもありますが、寝相の癖が強い場合は、顔を安定させるための小さめの枕を使ってみるのも一つの方法です。
3. 睡眠環境を整える
布団が柔らかすぎる、寝具がずれてしまうなどの原因で、うつ伏せ寝になってしまうこともあります。
寝具全体を見直し、寝返りしやすく、姿勢を保ちやすい環境に整えてあげましょう。
当院が行っているサポートとアドバイス

当院では、初診時にお子さまの生活習慣についても詳しくお伺いしています。
睡眠時の姿勢や呼吸の仕方、枕の使い方などは、歯並びの診断にとって非常に重要な情報だからです。
特に顎顔面矯正を行う際は、就寝中の口呼吸や舌の位置など、成長に影響する要素を多角的に診断したうえで、必要に応じてMFT(口腔筋機能療法)や呼吸トレーニングの指導も行っています。
また、成長段階に応じて無理のない時期に治療をスタートできるよう、保護者の方としっかり相談しながら進めています。
まとめ:正しい寝相がきれいな歯並びへの第一歩
寝ている間は意識がないため、寝相のクセを自分でコントロールするのは難しいですが、周囲の大人が気を配ってあげることで、防げる歯並びの乱れもあります。
子どもの歯並びは、生活習慣の積み重ねによって大きく左右されます。
早期に気づき、適切な環境づくりとサポートを行うことで、健康的な成長と美しい歯並びを手に入れることができるのです。
「なんとなく寝相が気になるな…」という保護者の方は、ぜひ一度、当院の無料相談をご利用ください。
お子さまの成長に合わせた最適なアドバイスをさせていただきます。
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